私たちは、1990年に業界に先駆けて再生紙を使用した名刺を作り始めて以降、名刺原料に木材を使わない“非木材紙”へのニーズも出てきたことから、1993年に非木材紙を使用した製品をラインナップに追加いたしました。
「非木材紙」は、針葉樹および広葉樹以外の植物繊維を原料としてつくられています。非木材紙を利用することは、森林の過剰伐採を軽減することにつながりますので、環境配慮の取組みを個性的にPRしたい方におすすめです。また、非木材紙は、木材紙にはない独特な肌合いを持った種類が多いことも魅力です。便箋や卓上カレンダー、包装紙のほか、学園祭やイベントの容器トレイや紙コップに使用されるなど、様々な用途、場面で活躍しています。
バガスとは、サトウキビから砂糖やバイオマスエタノールを生産した後に排出される、茎や葉などの絞りカスです。廃棄されてしまうバガスを紙の原材料として使用しているため、廃棄物の有効活用につながります。また、サトウキビは多年草の植物のため木材の使用量を抑えることができ、木材資源の保全にもつながります。
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サトウキビは暖かい地域が栽培に向いており、現在、国外では、ブラジル、アメリカ、中国、タイやインドで、日本では、主に沖縄県と種子島などの鹿児島県の南西諸島で栽培されています。
台風や強風で倒れても立ち上がり、水不足で葉が枯れても雨が降れば新しい葉を出す、自然災害に強い作物です。 干ばつが起こりやすい沖縄県と鹿児島県南西諸島にとっては、他に代えることができない地域の経済・社会を支える重要な作物です。
また、サトウキビは二酸化炭素をたくさん吸収して、たくさんの茎や葉をつくる能力を持っています。日光が強ければ強いほど、効率よくたくさんの光合成ができる作物です。
世界でサトウキビは年間約12億トン生産されており、そこから約1億トンのバガスが発生します。 バガスは、燃料や家畜の飼料などとして一部利用されていますが、産業廃棄物となっているものも少なくありません。
この廃棄されているバガスを利用し、紙の原料にしたものが「バガスパルプ」です。資源として再利用でき、森林の代わりに使うことで、木材の使用量を減らすこともできます。
山櫻で使っているバガスパルプを作る工場では、紙を作る工程も環境に配慮しています。
まず、バガスパルプの海外の生産工場では、隣接する砂糖工場からベルトコンベアーでバガスが運ばれるため、伐採、採集、集荷、運搬でエネルギーを必要とする木材と比べて、CO2の排出を抑えることができます。
さらに、バガスパルプ工場の電力の一部は、バガスを助燃剤とするバイオマス発電で補っています。
また、漂白工程において塩素を使用していないので、海や川を汚染しません。
国内の製紙工場では屋上にソーラーパネルを設置し、電力に活用したり、富士山伏流水の循環を利用したクリーンエネルギーを空調の一部に使用したりと、幅広くSDGsの目標達成につながる取り組みがなされています。
バガスパルプの供給元では、近隣のサトウキビ農家に対して農業技術の教育や、設備システムの提供を行っています。